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地盤改良の費用はいくら?工法別相場と節約のポイント

注文住宅を建てる時、予算を大きく左右するのが地盤改良工事の費用です。事前に予測が難しいため、契約後に突然の追加費用が発生して驚く方は少なくありません。

地盤改良の費用は、工法や建物の規模によって数十万円から200万円以上まで幅があります。

当サイトが複数の施主事例と工法別単価データを照合した結果、資金計画に100万円前後の予算をあらかじめ組み込んでおくことが、予算オーバーを防ぐ最も現実的な対策です。

目次

地盤改良とはどんな工事か?

地盤改良とはどんな工事か?の図解

地盤改良工事とは、建物を安全に支えるために弱い地盤を補強し、不同沈下(建物が不均等に沈む現象)を防ぐ工事です。地盤が軟弱なまま家を建てると、重みで建物が傾き、ドアが開かなくなったり壁に亀裂が入ったりするリスクがあります。

家づくりの資金計画や間取りの疑問は、当サイトと提携する積水ハウスの担当者に無料で相談できます。

地盤改良が必要になる条件

地盤改良が必要になるのは、地盤調査の結果として地盤の強度(N値・換算N値)が建物の荷重に耐えられないと判定された場合です。地中に粘土質や緩い砂の層が一定以上の厚さで存在すると、補強工事が求められます。

建築基準法に基づき、家を建てる前には原則としてすべての敷地で地盤調査を実施する義務があります。強度が不十分と判断された場合は、設計通りの建物を建てるために改良工事が必須です。

地盤調査から改良工事までの流れ

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地盤調査の実施

敷地内の複数箇所で専用機械を使い、地盤の硬さや土質を調べます。一般的な戸建て住宅では、半日程度で完了するSWS試験(スクリューウエイト貫入試験)が広く普及しています。

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解析と判定

調査データを専門機関が解析し、改良工事の要否と最適工法を判定します。結果が出るまでには数日から1週間程度かかります。

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工法の選定と見積もり

判定に基づき、地盤の深さや建物の荷重に合わせた工法を選定し、費用の見積もりを作成します。

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改良工事の施工

選定された工法で工事を実施します。工期は工法によって異なりますが、一般的には1日から4日程度です。

地盤改良が必要になる確率は?

地盤改良が必要になる確率は?の図解

新築戸建てで地盤改良が必要になる確率は約30〜40%、つまり3〜4件に1件の割合で追加費用が発生すると言われています。見た目や立地だけでは判断できないため、事前に傾向を把握したうえで資金計画に備えることが重要です。

発生確率の目安

新築戸建て住宅において、地盤改良工事が必要と判定される確率は約30〜40%と言われています(地盤ネット株式会社の調査概況に基づく業界通説。個別敷地は調査結果によります)。3〜4件に1件の割合で追加費用が発生する計算です。

高台であっても過去に盛土された土地や水脈が近い土地では、補強工事が必要と判定されることがあります。見た目や周辺環境だけで地盤の良し悪しを判断することはできません。

事前に傾向をつかむ無料ツール

契約前に地盤の傾向を把握するには、国土交通省が公開している「地盤情報データベース」や、ジャパンホームシールド株式会社が提供する「地盤サポートマップ」を活用できます。

検討している土地の周辺でどのような地盤調査結果が出ているかを地図上で確認でき、事前の予算計画に役立ちます。完全に正確な判定は実地調査を待つ必要がありますが、概算費用を資金計画に反映させる際の根拠となります。

造成地・埋め立て地で確認すべき項目

土地探しの段階では、以下の項目を不動産会社や近隣住民に確認してください。

  • その土地の元の地目(田、畑、沼など)
  • 造成工事が行われた時期(新しい造成地ほど地盤が落ち着いていない)
  • 近隣で家を建てた際に地盤改良が行われた実績の有無

新しく整備された造成地であっても、元が田んぼや谷を埋めた盛土の場合、引き渡し直後は地盤が軟弱なことが多いです。元地盤の歴史を調べることで、改良工事の必要性をある程度予測できます。

地盤改良の費用相場は?

地盤改良の費用相場は?の図解

地盤改良の費用は建物構造や施工エリアによって異なりますが、延床面積30坪の木造住宅で約100万〜150万円、鉄骨造住宅で約120万〜180万円が目安です。

資金計画の段階では、まず100万円を地盤改良予算として確保しておくことをおすすめします。

建物構造別の費用目安

建物の重量が重くなるほど地盤への支持力要件が高まり、改良費用も上昇します。延床面積30坪の場合の目安は以下の通りです(当サイトが複数の工務店・ハウスメーカー見積もり事例を集計した参考値)。

建物構造費用目安(延床30坪)
木造住宅約100万〜150万円
鉄骨造住宅約120万〜180万円

鉄骨造は木造より建物自体が重いため、より深い支持層まで杭を打ち込む必要があり、工事規模が大きくなりやすい傾向にあります。

地方エリアで費用が高くなる理由

地盤改良の費用は、都市部より地方エリアの方が高くなるケースがあります。主な要因は、特殊な重機や専門施工業者を近隣で手配できない場合に発生する重機回送費です。

当サイトが把握している実例では、エコジオ工法(砕石工法の一種)を採用した地方エリアの案件で、総額143万円の見積もりのうち約35万円が重機回送費等の経費でした。

施工エリアに専門の重機・施工店があるかどうかで総額が大きく変動します。

資金計画への組み込み方

多くのハウスメーカーや工務店は、地盤改良費を「付帯工事費」や「予備費」として扱います。契約後の予算オーバーを防ぐには、最初から100万円を地盤改良予算として確保することを当サイトではお勧めしています。

地盤調査の結果、改良不要と判定された場合は、浮いた予算をオプション仕様や外構工事の充実に充てられます。

家づくりの全体的な流れを把握しておきたい方は、以下の記事もご覧ください。

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地盤改良工法の違いと比較

地盤改良工法の違いと比較の図解

地盤改良工法は表層改良・柱状改良・鋼管杭の主要3工法に砕石パイル工法を加えた4種類が戸建て住宅で広く採用されており、軟弱地盤の深さや費用・将来の撤去コストによって最適な工法が異なります。

どの工法が自分の敷地に合うかは、それぞれの特徴と費用目安を比較することで判断できます。

表層改良・柱状改良・鋼管杭の違いと比較

一般的な戸建て住宅で採用される主要3工法を比較します。

比較項目表層改良工法柱状改良工法鋼管杭工法
適応する軟弱地盤の深さ深度2m以下深度2〜8m程度深度2〜15m程度
30坪あたりの費用目安20万〜70万円40万〜100万円90万〜200万円
坪単価の目安0.5万〜2万円1万〜3万円3万〜6万円
工事期間の目安1〜2日2〜3日1〜2日
工法の特徴土とセメント系固化材を混ぜて敷地表面を固めるセメントミルクを注入しながら地中に柱を造る主流工法鋼製の杭を強固な支持地盤まで打ち込む
主なデメリット深い軟弱層には非対応六価クロム発生リスク(極低確率)・将来撤去費用費用が最も高額・将来撤去費用

表層改良は費用が抑えられますが、深い軟弱層には対応できません。最も普及しているのは柱状改良ですが、敷地状況や建物の重さによっては鋼管杭工法が選ばれます。

砕石パイル工法のメリットとトータルコスト

砕石パイル工法(天然砕石ハイスピード工法など)は、地中に穴を掘り天然砕石を詰め込んで石柱を形成する工法です。

30坪あたりの費用目安は50万〜150万円程度(坪単価1.5万〜4万円)で、セメント系柱状改良よりやや高額になる傾向にあります。

主なメリットは以下の3点です。

  • 天然石のみを使用するため、六価クロムなどの有害物質が発生するリスクがありません
  • 地震による液状化現象に対して高い耐性を持ちます
  • 将来の解体・売却時に杭を撤去する必要がなく、撤去費用(最大約300万円)が発生しません

従来のセメント系柱状改良や鋼管杭は法律上「地中埋設物(人工物)」とみなされ、売却・解体時に高額な杭撤去費用が発生するリスクがあります。

初期費用はセメント系よりやや高くなることがありますが、将来的な撤去費用と土地の資産価値維持の観点では、砕石パイル工法が有利なケースもあります。

土地取得のトータルコストを抑えたい方は、以下の記事も参考にしてください。

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実例から見る地盤改良の費用

実際の建築事例では、24坪の平屋住宅で地盤調査から砕石パイル工法による改良工事まで合計68万円かかっており、工法の選び方が費用だけでなく土地の資産価値にも影響することがわかります。

24坪平屋・砕石パイル工法の費用内訳

24坪の木造平屋建て住宅を建築した際の、地盤調査から改良工事までの実費内訳です。

項目費用
地盤調査費用(SWS試験)70,000円
地盤改良工事費用(砕石パイル工法)610,000円
合計680,000円

この事例では、資金計画に80万円の地盤改良予算を確保しており、実費が68万円に収まったため予算オーバーなく建築工事へ進めました。平屋は2階建てより基礎面積が広くなる分、地盤への荷重を分散しやすい特性がありますが、それでも地盤調査の結果を受けて砕石パイル工法による補強を実施しています。

当サイトでこの事例を検討した時、将来の土地売却や相続を考えると、撤去費用ゼロの砕石系工法は長期保有を前提とした家庭に特に合理的だと感じました。

平屋の価格相場について詳しくは、以下の記事をご参照ください。

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工法選択が土地の資産価値に与える影響

上記の事例で砕石パイル工法が選ばれた最大の理由は、将来的な土地の資産価値を守るためです。セメント系の改良材は土壌中の成分と反応して六価クロム(発がん性物質)を発生させる二次汚染リスクが極めて低確率ながら存在します。

万が一土壌汚染が発生すると土地の評価価値が下落します。天然の石のみを使う工法を選ぶことは、健康リスクを回避するだけでなく、土地の長期的な資産価値を維持するための選択肢のひとつです。

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契約前に地盤費用を予測する方法

契約前に地盤費用を予測する方法の図解

契約前でも地盤費用の概算を把握することは可能で、建築予定地の近隣で過去に行われた地盤調査データを活用することで、契約後の突然の予算追加を防ぐことができます。

近隣の地盤データから概算見積もりを依頼する

ハウスメーカーや工務店が提携している地盤調査会社は、過去の膨大な調査データを保有しています。本契約前の段階で、建築予定地の近隣で過去に行われた地盤調査データを共有してもらい、契約前の概算見積もりを作成してもらうよう依頼してください。

周辺データで「柱状改良が必要」という結果が多い場合は、最初からその費用を予算書に反映してもらうことで、契約後の突然の予算追加を防げます。

各ハウスメーカーの坪単価相場と特徴については、以下の記事にまとめています。

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土地探しの進め方に迷っている方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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地盤改良費で後悔しないための注意点

地盤改良費で後悔しないための注意点の図解

地盤改良費で後悔しないためには、見積もり内容の確認とセカンドオピニオンの活用、そして将来のトータルコストを見据えた工法選びの三点を押さえておくことが重要です。

見積もり段階で確認すべき3項目

ハウスメーカーから地盤改良の見積もりを提示された際は、以下を必ずチェックしてください。

  • 重機を運ぶための「重機回送費」が適正な金額で含まれているか
  • 残土処分費」が別枠で高額に請求されていないか
  • 提示工法以外に、より安価で確実な別工法の提案(セカンドオピニオン)を受けられるか

地盤セカンドオピニオンについて 地盤調査の結果に疑問がある場合は、別の地盤調査会社に依頼する「地盤セカンドオピニオン」の活用を検討してください。最初の判定が「改良工事あり」であっても、別の解析で「改良不要」または「より安価な工法で対応可能」と判定が変わることがあります。

工法の選択基準を目的別に整理する

工法を選ぶ際は「初期費用が安いから」だけで決めるのではなく、将来の土地活用計画に合わせて以下の基準で判断することをお勧めします。

  • 初期費用を最優先に抑えたい場合:柱状改良工法(最も普及・費用目安40万〜100万円
  • 将来の売却・解体時のリスクをゼロにしたい場合:砕石パイル工法(費用目安50万〜150万円・撤去費用不要)
  • 地盤が極めて軟弱で確実な支持力が不可欠な場合:鋼管杭工法(費用目安90万〜200万円

担当者と各工法のメリット・デメリットをしっかり確認し、将来のトータルコストを見据えた判断をすることで、契約後の後悔を減らせます。

家づくりの資金計画や間取りの疑問は、当サイトと提携する積水ハウスの担当者に無料で相談できます。

地盤改良に関するよくある質問

地盤調査や改良工事費用に国や自治体の補助金は使えますか?

2026年7月現在、国の新築住宅補助金制度「みらいエコ住宅2026事業」では、地盤調査や地盤改良について「交付決定前」であっても先行して工事を行うことが認められています。また、一部の自治体では液状化対策のための地盤改良工事に独自の助成制度を設けています。例えば、東京都葛飾区では地盤調査費用に最大50万円(全額)、液状化対策工事に最大130万円(半額)を助成する制度を実施しています(令和8年度は2026年12月11日まで申請受付。葛飾区公式サイトでご確認ください)。また、令和6年能登半島地震の被災地(金沢市・新潟市など)では、液状化対策をともなう地盤改良工事に対して最大700万〜900万円超の復旧支援補助金が設けられています(金沢市新潟市の各公式サイトで最新情報をご確認ください)。制度は変更されることがあるため、必ず各自治体窓口で最新情報を確認してください。

地盤改良の費用は「土地」と「建物」どちらの取得費になりますか?

原則として、建物建設を目的として行う地盤改良工事の費用は「建物の取得費(取得価額)」に算入されます。国税庁の所得税基本通達38-10(注1)において、「専ら建物等の建設のために行う地質調査や地盤強化のための費用は、建物の取得費に算入する」と規定されています(国税庁|所得税基本通達38-10)。土地の価値自体を高める工事ではないため、非減価償却資産である土地ではなく建物の一部として資産計上されます。個別の取り扱いについては税理士または国税庁に確認してください。

ハウスメーカー各社で地盤調査や改良工事に違いはありますか?

各社は独自の調査システムや工法を導入しています。一条工務店は業界で早期から自社グループ内に「地盤調査研究所」を設立し、社員が調査・解析から基礎仕様判定まで一貫して行う体制を整えています。積水ハウスでは、従来の柱状改良杭に「節」を設けて摩擦力を高めた独自工法や、間伐材等の木材を補強材として使用する「SH-KPパイル工法(2025年11月発表)」を採用しています。大和ハウス工業では、らせん状の節を設けてセメント使用量を削減する「D-TEC SPIRAL」工法(大和ハウス工業公式サイト参照)を展開しています。三井ホームでは、面全体で建物を支え地盤への負荷を分散する超剛性ベタ基礎「マットスラブ(MS)工法」を標準採用しています。いずれも公式サイトや営業担当者に詳細を確認することをお勧めします。

地盤改良工事が不要だった場合、浮いた予算はどう使うのがよいですか?

当サイトが把握している実例では、地盤改良が不要と確定したタイミングで、浮いた予算を外構(庭・駐車場)工事の充実に充てる施主が多い傾向にあります。外構工事は予算不足で妥協しがちなポイントであるため、100万円前後の余剰が生まれた場合は外構予算へ組み入れることが現実的な活用法のひとつです。

地盤改良工事を行うと、不同沈下に対する保証はつきますか?

一般的に、地盤改良工事を施工した場合は施工業者または地盤保証会社による「地盤保証(20年間など)」が付帯します。万が一不同沈下によって家が傾いた場合、建物の修復費用や仮住まい費用などが保証限度額(多くは5,000万円から1億円)の範囲でカバーされます。保証期間や保証内容は会社によって異なるため、契約前に保証書の内容を必ず確認してください。

地盤改良の費用まとめ

地盤改良費は、家づくりの総予算に大きく影響する不確定要素のひとつです。発生確率は約30〜40%と低くないため、資金計画に100万円程度をあらかじめ確保しておくことが、契約後の予算追加を防ぐ最も確実な手段です。

工法を選ぶ際は、初期費用の安さだけでなく、将来の売却・解体時に発生し得る杭撤去費用(最大約300万円)や土壌汚染リスク、土地の資産価値維持といった長期的な観点も加味して判断してください。

当サイトでは複数の施主事例と工法別の費用データを照合し、「砕石パイル工法は初期費用がやや高くても、撤去コストゼロ・土壌汚染リスクなしの点で長期保有には合理性がある」という結論に至っています。

ただし、地盤の状態によっては他の工法が最適な場合もあるため、地盤調査結果をもとに担当者と十分に話し合ったうえで決定してください。

主な参考データ

家づくりの資金計画や間取りの疑問は、当サイトと提携する積水ハウスの担当者に無料で相談できます。

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この記事を書いた人

マイホーム学校編集部は、注文住宅やハウスメーカー選び、住宅ローン・税制優遇まで、家づくりの意思決定に必要な情報を発信する住宅専門メディアです。国や公的機関の一次情報、各社の公表データ、実際の相談事例をもとに、中立的で実践的な比較・解説を心がけています。「借りられる額」ではなく「後悔しない選択」を軸に、資金計画から会社選びまで、これから家を建てる方をわかりやすくサポート。制度改正など最新情報の反映にも努めています。

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